皆さま、はじめまして。
STマイクロからstm32マイコン用に使える無償の開発ツールSTM32CubeIDEがリリースされました。
少し使ってみましたが無償でこれだけのツールがあるとは驚きです。
残念ながらまだマニュアルが整備されていないようなので、少しずつ触りながら使い方を覚えていくのが良いと思います。EclipceベースのIDEに慣れている方はすぐに使いこなせるかもしれません。
以下に使ってみた感想や要点をいくつか挙げておきますので参考にしてください。
・コードや使用期間の制限なし
他社製品ではコード制限や使用期間に制限を設けてあるものが存在しますがSTM32CubeIDEはどちらにも制限はありません。コード制限というのは例えば「扱えるプログラムの容量は256KBまでですから、これ以上大規模な開発をするのならお金を出して正規版を購入してください」というイメージのものです。使用期間は例えば「使い始めの1か月間はすべての機能について制限なしで使えますので、継続してお使いの場合には正規版を購入してください」というイメージのものになります。
どちらの制限もないということで、学生さんでも対応ボードとUSBケーブルがあればプログラムの開発を行うことができますので嬉しい限りです。(当然、開発用のPCは必要です・・・)
・日本語化に対応
プラグインを使うことでメニューなどを日本語にすることが可能です。
・コンフィグレーション機能
IDEにおいて拡張子iocのファイルを開くことでIOピンに機能を割り当てたり、タイマー等の機能を実装したりすることができます。更に選択した機能に対する初期設定のコードを生成することができます。これらは従来からあるコンフィグレーターであるSTM32CubeMXの機能をIDEに統合した形になっているようです。
・C++言語にも対応
最近ではあたりまえのことかも知れませんが言語はCでもC++でも開発することができます。
マイコンの性能やメモリ容量も上がってきているのでC++も扱いやすくなってきました。
・変数の参照が容易
デバッグしていてローカル変数がおかしな値になることってありますよね?そのためにデバッグ用のグローバル変数をわざわざ用意したことはありませんか?
このIDEではローカル変数もマウスカーソルをあてるだけで値を正しく確認できました。地味ですけれど、これはとても重宝します。
・対応ボードの初期設定
ボードセレクタという機能を使えばSTマイクロから発売しているstm32ボードの初期設定を行うことができます。対応ボードを購入したらすぐに動かすことができるので、こちらも便利です。
昔は内蔵レジスタの各ビットの説明を読みながらバイト単位でレジスタに書いていく なんて方法があたりまえでしたけど・・・
手間のかかるレジスタの設定はユーザーの代わりにIDEが行ってくれます。
良い時代になりました。
もちろん時には細かい設定が必要になることもありますけれど。
これから、こちらのサイトでは主にstm32マイコンに関連する情報を書いていきますが、ここで環境と対象読者についてのお断りをさせていただきます。
環境:
Windows10 OSのPC
対象読者:
C言語と、できればC++言語をある程度理解されている方
時々回路のお話も出てくるので、ある程度回路を読むことができる方
(が読者であることを想定して書いていきます)
少し脱線してしまいました。
開発ツールのソフトウェアは以下のサイトからダウンロードすることができます。
無料で使うことができますが会員登録が必要になります。
登録する際のメールアドレスとパスワードは控えておきましょう。
(後に、その他のドキュメント類をダウンロードする際に必要になることがあります)
どんなものか試してみようと思われる方は、こちらから文書番号が以下のもの2つをダウンロードしてください。
・STM32CubeIDE(統合開発環境)
・STM32CubeMX(初期化コード生成ツール)
今回は簡単に開発ツールの紹介をしました。次回から実際にボードを使ってプログラムを動かしてみます。
この続きを読むには こちら からどうぞ。
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